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墨坪君のマンガ道その2 

 さて、墨坪君は提出した漫画のネ?ムを担当編集者の言った通り直しました。
 当の墨坪君はその提案がピンとこないにもかかわらずです。
 自分で面白いと思わない漫画が、面白くなるわけありません。
 担当編集者も「これじゃダメ!」と、言わざるを得ません。

 墨坪くんの心には「言われた通りやったのに!」と言う不信感が生まれます。

 でも墨坪くんはデビュ?を目指し、担当の「提案通り」に、繰り返しネ?ムを直し続けます。
 半年もたった頃には、この話のいったい何が面白かったのか、思い出せなくなってきます。描いている側がそうなのですから、読んでいる担当も混乱してきます。
 いよいよゴールが見えてきました。
 そう、このネ?ムをあきらめるという決断です。

 「いわれた通り直し続けて結局このざまかよ!この編集者本当に大丈夫か?」
墨坪君の心にべったりと黒いモノが棲み着きます。

 知人がこんな名言を言いました。「半年直して面白くなったマンガなんか見たことない。」漫画のアイデアは寿司ネタと同じで、いじり続ければ確実に死にます。
 ゲシュタルト崩壊が起こって、意味が分からなくなるのです。

 墨坪君はこう考えました「担当に頼ってちゃダメだ!自分で作戦を考えないと!今、雑誌に足りないマンガを描くんだ!そうすれば採用される!よく見ると雑誌にはスポ?ツ物が足りない!スポ?ツ物をやろう!」
 
その雑誌に足りない分野を提案するのはとても良い方法です。
 ただ、惜しかったのは、墨坪くんはそれほどスポ?ツ漫画が好きなわけでもなかったし、実際にスポ?ツも好きではなかったこと。
 彼の描くスポ?ツ漫画は、スポ?ツの駆け引きも何もない気の抜けたコ?ラのような仕上がりになり、あっさり却下されるとになります。
 アニメと漫画以外に特に興味のなかった墨坪君。映画も本もそれほど読んでいません。 このあたりで大抵の新人の子は「自分に興味のあるモノは何か?自分に向いている分野は何か?」と、真剣に悩み始め、不勉強を悔やむようになります。
 
 多くの漫画家さんが「学校や社会で漫画以外の知識をつけた方がいい」と勧めるのは、この時期が訪れるからです。
 
 でも、墨坪君は悩み考える前に、楽な道を選んでしまいます。
「ずいぶん時間もたった。ここは一つ自分の好きな物を描こう!もう長い間、ネ?ムばかり描いていて、ペン入れもしていない。担当がなんと言おうとこの作品は原稿にして、ダメならよその出版社に持って行こう!」
 墨坪くん一大決心です。
 選ぶのは、当然バトル物。異世界、超能力物です。
 結果ですか?最初に持ち込んだネ?ムと大差ないに決まってます。

 当然、担当は「ダメ!」の返事。墨坪くん、よその出版社に持ち込み、そのまま新人賞に応募。
そして、振り出しからやり直しです。

いったいなぜなこうなってしまったのか?。
 墨坪くんの「編集者との打ち合わせ」の失敗はどこだったのでしょう?

 まず、第一は「ほめられた」ことをずっと引きずっていることです。
 最初の打ち合わせで「悪くない」と、褒めてくれました。墨坪君はこの言葉をずっとよりどころにしてます。
 でも、お世辞です。いや、マジで。
だって自分が友人の漫画見たとき、まず気を遣って褒めるでしょう。「絵がきれいだね」とか。
 友人の漫画を見る感覚で雑誌の漫画を読んだことありますか?
相当上手に描いてあるマンガでも、あっさり「クソ!」って貶すでしょ?そんなもんです。
 担当者さんが気を遣って褒めてくれたら、まず感謝をし、そして忘れましょう。
 本当に面白ければ、読者がちゃんと褒めてくれます。

 第二の間違い。担当編集者に「具体的にどう直すか」を聞いてそれを最重要視してるとこ。
「いい編集者」とはネ?ムの問題点を的確に指摘し、修正方法を、その作家にあわせ、正確に提案する人だと思っていませんか?その人に言われた通りに直せば完璧な漫画が完成すると。
 そんな人いても希です。
 大抵は、その漫画の問題点を正確に見つけ出し表現しようと試行錯誤してくれているのです。
 いわば「出題者」であって、全てを知ってる「大賢人」ではありません。
 その出現に漫画人生を賭けるには、「デスマシ?ン」並みに確率低すぎです。
 言った通り直さないと不機嫌になる編集者も、中にはいるのですが、まあアレな人はおいといて、自分が編集者だと仮定したときどう思うか?
 目の前に「言われた通り直してきました!」と答える新人がいたらどう思います?
 「ダメだこいつ」でしょ?

 そして第三。これが最悪の問題点。
 最初に提出したネ?ムに対し、担当さんが指摘してくれた問題点を、すっかり忘れていること。
 「どこが悪かった」と言われたか覚えていないのです。
 これは冗談ではなく、結構やってしまう致命的な失敗です。
 なぜこんなことになるのか?原因は簡単。
 指摘された問題点なんかより、編集者の「具体的にこう直せ」と言われたことの方が大事だからです。
 なにせ、言われた通り修正すればデビュ?できると考えているので、他のことは覚えていなくてもいいわけです。
 
 漫画というのは、正解があって描いているわけじゃないし、読者もこれが正解だから面白いと思ってるわけでもない。
 おおむね漫画は「最初に読んでどう感じるか」で、評価されます。2度3度読んで吟味して評価を下すことなんかありません。
 「読んで最初にどう感じるか?」と言う、計算できない漠然とした何かがとても大事になります。面白くないと感じれば二度と読みせん。

 そして担当編集者はあなたの漫画の一番最初の「読者」です。その読者が「最初になにを感じたか?」を正確に具体的に出そうとしてくれてるわけです。そして、その答えは漫画家を目指すあなたには「一番大事な答え」になるはずなのです。
 「担当編集が俺の漫画をわかってくれてる保証なんかあるのか?意見が本当に参考になるのか!」と、思ったあなた。一般読者は編集者より辛辣です。
 自分が発信したことを何でも受け入れてくれる読者しか相手にしないつもりでならば、そこは『親の惑星』です。
 墨坪君は漫画家になるための宝物のような「最初の読者の最初の印象」を全く忘れ去りました。
 つづく。
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[2010/04/29 01:19] 墨坪君のマンガ道 | トラックバック(-) | コメント(-)



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